[夫婦リスキリング] 家族力の解説④ 言葉の使い方で分かる、仲良しと不仲の分かれ道

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[夫婦リスキリング] 家族力の解説④ 言葉の使い方で分かる、仲良しと不仲の分かれ道

2024.12.17

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おはようございます。
先週は家族3人で病床に伏せっており、今週になってようやく元気を取り戻してきました。
こういう時こそ病床で「家族力」について感じることが多々あったので、そのお話をしたいと思います。
ちなみに過去に3回、家族力についてはコラムを書きました。

【夫婦リスキリング】家族力の解説① 「何故、夫婦のコミュニケーションを整える必要があるの?」

【夫婦リスキリング】家族力の解説② DVや浮気など夫婦間トラブルはどちらか一方の問題ではない!

【夫婦リスキリング】家族力の解説③ 高めるとこんなに変わる!夫婦の会話の裏側

人間は弱った時に本性が出ると言いますが、今回久しぶりに家族三人で体調が悪くなり、全員が余裕が無い中で、家族力の有無で主に会話面にどのような違いが出るか、について考えてみました。

私たちが家族力を大切にしている理由

両親、パートナー、子どもなど。
いとおしい存在で、大切な家族なのに、ちょっとしたことでイラっとしてしまう。
そんな自分に自己嫌悪…なんてことありませんか?

でもこの感情が起こるのは、実は当たり前のこと。
イライラの原因は、気持ちや行動のズレからくる自然な感情です。
このような気持ちや行動のちょっとしたズレをネガティブにとらえると、虚しさや怒りの感情となりイライラにつながります。
そしてこのイライラは、生理反応みたいなもの。
相手の気持ちや行動が、あなたのイメージとズレることで自然に生まれてしまう感情です。

いつも一緒にいてみんなの性格は分かっているし、お互いに分かり合えている!

ほとんどの人はそういう環境で育ち、そのことにさほど疑問を持たずに暮らしています。だからズレが生まれ、これがイライラにつながります。

「なんでわかってくれないんだろう」「なんでこんなことするんだろう」という様々な「なんで?」の裏には、あなたとは違う相手の思考や想いがあります。
家族一人ひとりには、あなたの知らないキャラクターがあるのです。

そこで、なかなか客観的に観ることができない家族のことを、一度じっくりと見つめ直し、いつもと違う視点から分析することはとても重要だと考えます。
そういう時間から、今までとは違った家族に対する理解や発見ができるからです。
さらにその気づきは、あなたも気づいていなかった自分の中の想いや自分が大切にしたいことも見せてくれます。

改めて家族を知ることで、家族を想いながら、自分も大事にすることができるようになります。

家族と居て心地がよいのは、自然体でいられるからです。
自然体での暮らしは、家族みんなの平穏な日常と充実した人生に繋がります。
まずはあなたが自然体でいることが、家族が快適に過ごせる大切な一歩です。

何も努力しないで家族みんなが自然体で居られるのは、案外難しいことです。
捉え方を間違えると、「自然体=自由でわがまま」になってしまうから。
だからこそ、家族力の理解と活用をし、家族みんながもっと楽しく過ごすための大きなチカラを得ていただきたい。
私たちはそう考えています。

言葉とリアクションの違い①

まずはじめに、あなたがこの言葉をパートナーに言ったとします。

ちょっと、具合が悪いんだ。

さて、相手から言われる言葉、また想定できるリアクションはどれが一番近いでしょうか。

A 体調悪い?薬飲んで寝ていたら?

B どうしたんだろう?何か悪い物でも食べたかな?

C ・・・(無言)・・・行ってきます。

D 俺も!(または)私も!

この一言だけで家族力は測れませんが、これは一つのバロメーターとして夫婦仲を確認する会話あるあるです。

Aの「体調悪い?薬飲んで寝ていたら?」は、一見心配しているように見えますが、相手の状況を良く知りもせずにすぐに解決策を提示するやり取りです。
よく男性にありがちですね。

Bの「どうしたんだろう?何か悪い物でも食べたかな?」は、相手に何が起きているかを洞察し、寄り添おうとしていて、これが家族力としては最も理想の会話です。

Cの「無言の後の行ってきます」は、無視、または無関心で言語道断。夫婦仲としてはあと何年!?というレベルかもしれません。

Dの「俺も!(または)私も!」はこれもよく夫婦あるあるで、体調が悪いと伝えられると相手の心配よりも自分の心配をするという、自尊心がフルに発揮してしまっている悪い例です。

このように、たった一言、ちょっと具合が悪いんだ。と話しただけで、相手の反応は大体4タイプに分かれます。
そして、あなたの本心がどこにあるかで欲しい反応も変わってくるので、本心とどんな反応が返ってくるかで、満足!か不満…に分かれ、これがイライラに繋がっていったり、夫婦のストレスになったりします。

本当は「大丈夫?ゆっくり休んでね!」という言葉を期待して言ったのに、反応がCとかDだったら、やっぱりイラっとしますよね。
または、「うちのパートナーは心配してくれないのを分かっているから、ただ伝えただけ」だったとしたら、Cの反応は想定内だけど、Dのように何でも自分のことに置き換えて話をすり替えてくるのはイラっとする、という夫婦もいます。

というように、相手のタイプをきちんと理解をして、言葉やリアクションを使い分けてみる、これが家族として望ましいコミュニケーションなのです。

ちなみにうちの夫は、私が普段元気なので、ちょっとでも具合が悪くなると、その箇所に手を当てて、優しくさすり、「痛いの痛いの飛んでけ~」をやってくれます。
そしてこれが子供だましでもなんでもなく、とっても良く効くんです。
それをやってくれている夫の姿は、愛しさで溢れていますヨ♡

言葉とリアクションの違い②

次に、もう一問やってみましょう。パートナーから

今週末、何かあるっけ?

と聞かれたとします。

さて、あなたが言いそうな言葉、またはやりそうなリアクションはどれが一番近いでしょうか。

A この前伝えたじゃん。子どもの試合があるって。

B 何もないよ。どこか行きたいけど。

C 自分たちは出かけるけど、あなたのは知らない。

D ・・・(無言)・・・なんで??

これもまた、この一言だけで夫婦の状態が測れるものではありませんが、バロメーターになるものですので解説しておきます。

Aの「この前伝えたじゃん。子どもの試合があるって。」は、つい数日前に伝えたのに、相手は聞いていないというすれ違いが生じていて、言った言わないの夫婦喧嘩になりがちな一例です。
こちらは伝えているのに相手がどうしても聞いてくれない、覚えていてくれない、というのはよくあること。
というのも、相手は「自分に興味関心のあることしか聞かない」生き物だから。
それを理解せず、なんでもかんでも相手に伝えようとすると、それが逆にストレスに発展してしまうもの
なのです。

Bの「何もないよ。どこか行きたいけど。」は、ただ質問に回答する、というシンプルな反応です。
相手の質問にあれこれ憶測したり、自分の感情を乗っけてツンケンした返答をする、という人もいるなかで、この反応が一番ベストですね。

Cの「自分達は出かけるけど、あなたのは知らない。」は、質問には答えていますが、あなたのは知らない、は一言余計です。
ここにはやっぱり、夫婦の無関心が見え隠れしていて、自分達が出かけることを知らない相手に対するイラつきや、自分達と出かけようとしない相手に対する虚しさみたいな感情が、最後の余計な一言に表れています。
そもそも、自分の予定は自分で把握しているはずなので、「あなたのは」答える必要がない。
それなのに一言余計に付け加えるのは、その根底に様々な感情が隠れているということです。

Dの「・・・(無言)・・・なんで??」は、質問には回答せずに、質問の裏側を探ろうとして質問で返すという、最も喧嘩に発展しそうな反応です。
上記AとCにあるような感情が色々と積もり積もると、このような反応をしがちです。
まずは質問に回答してから、なんで?と聞くようにする方がベターです。

相手が、「スケジュールは把握できているけど、確認のために聞いた」のか、「本当に忘れていて単純に聞きたかった」だけなのか、それとも「自分のスケジュールを優先させたいから相手の反応を探るための質問」なのかによっても回答は変わってくるはず。
ですので、まずどんな質問であれば、回答をする。そして、その後で自分の意見を述べる。
これが出来るようになると、夫婦の会話も喧嘩腰にはならずに済みますよ。

ちなみにうちの場合は、アプリで家族のスケジュールを共有しているので、それを見れば一発で分かるのに、うちの夫はなんでもかんでも聞いてきます。
その時に「アプリ見れば分かるじゃん!」と答えるでしょうか。
もちろん、そんな言い方はしません。

だって、言ったって言わなくたって、そのアプリを見ないんですから。
ですから、私はちゃんと回答します。
「今週末はね、〇〇と△△が入ってるよ。やりたいことでもできた??」といった具合に。
そうすると、「ちょっとラジコン行ってきても良い?」とか言い出すので、「午前中なら大丈夫だよ」と答えます。
これで万事円満です♡

言葉とリアクションの違い③

最後に、もう一問。相手から

いつも色々ありがとう!

と言われました。

さて、あなたが言いそうな言葉、またはやりそうなリアクションはどれが一番近いでしょうか。

A どうしたの?なんかあった??

B こちらこそ、いつもありがとう。

C は?突然なに?気持ち悪いんだけど。

D ・・・・・・

さて、どうでしたか??

Aの「どうしたの?なんかあった??」は、相手の状況を慮るという意味ではアリかもしれませんが、何か気持ちの変化があったからこういう感謝を述べてきているのだとしたら、できれば「どうしたの?何に対して?」と具体的に聞けた方が良いですね。

Bの「こちらこそ、いつもありがとう。」は、ベストな反応です。
感謝や愛情は夫婦において持ちつ持たれつなので、相手が感謝を伝えてきたのなら、こちらからも日頃の感謝をシンプルに伝えるのがあるべき夫婦仲だと思います。

Cの「は?突然なに?気持ち悪いんだけど。」は、ありがとうに対しての回答が気持ち悪い、という最悪な反応です。
でもこれ、家族においてはよくやりがちな反応なんですよね。
夫が仕事を頑張ってるアピールをすると妻は「そんなことどうでもいいから早くお風呂入ってきて」と言ったり、妻が家事を完璧にしていても夫は「専業主婦なんだからそれくらい当たり前」と言い放ったり。
こういう態度をお互い取り続けていると、行く先は家庭内別居または離婚しか無いでしょうね。

Dの無言も、感謝に触れず、またこちらからも何も言わないという姿勢は、あなたに対する無関心を示しています。
ありがとうの反対は、当たり前。
なにごとも当たり前で過ごしていると、そのうち相手からは見切られてしまいますので、相手の行動には何らかのリアクションをしていきましょう。

ちなみに、これを書きながら、目の前の夫に言ってみました。
いつもありがとう♡って。

そしたら、
こちらこそいつもありがとう^0^
と満面のスマイルで返してくれました。
我が家は大丈夫です♡

まとめ

いかがでしたでしょうか。
3問ともBだった、という方は夫婦仲安心度100%!
特に心配をすることもなく、このまま仲の良さを貫いていって欲しいです。

もし1問でも違った方は、是非夫婦の会話を見直すきっかけにして頂きたいです。
ちなみに無料で受けられる家族力検定もありますので、是非やってみてくださいね。

本当に日々思うのは、日常的にどんな言葉を使うかがとても重要だということ。
どんな言葉を使うかは、相手に対する自分のスタンスを表現しますので、たった一言で「好き」か「嫌い」も表現できてしまうし、「感謝をしている」のか「軽蔑をしている」のかも伝わってしまう。
言葉とリアクションは自分を映す鏡なので、まずは意識的に言葉を変える努力をして頂きたいと思います。

ということで、今日は病み上がりなのでこの辺で。
今日もここまでお読みいただきありがとうございました。

代表理事 武嶋愛